ダブルダッチ・縄跳び競技を本気でするなら、筋トレも知っておいた方が良い

なわとびは激しい運動の割りに、怪我が少ない、と思っていた。

高いジャンプを繰り返したり、アクロバットを硬い地面でやっているのに、案外怪我をしている人が少ないんじゃないかな。

でもよくよく話を聞くと、どうも事情が違うらしい。

突発的な怪我(外傷)をする人は多くないけど、慢性的な怪我(傷害)を持っている人が実は多い。腰が痛いとか膝が痛いとか、一番多いのは下半身の痛み。

中にはアクロバットの着地の失敗で肩の痛みがある、なんてのもあるけど、これはちょっと別。

ともあれ、安全だと思っていたなわとびも競技の高度化によって怪我を招いてしまってる、のかもしれない。

- 筋肉トレーニング、補強運度の認知度の低さ

いざ、なわとびをしている仲間に話をしても、定期的に筋肉トレーニングや補強運動をしている人は殆ど居ない。一部、意識の高い人や体育専門の知識を持っている人がやっているぐらいで、ほんの一握り、いや一つまみ程度だろう。

体操競技では補強運動は必要不可欠だ。空中を自在に舞うのだから、着地・離陸時の身体への負担は想像以上だ。加えて本来は体重を支えない姿勢・体位で負荷を支えるので、肩や肘・膝など関節への怪我も起こりやすい。

なわとびではどうだろうか。競技の一部に「アクロバット・体操競技の床運動の動き」が取り入れられていて、この頃は「ブレイクダンス」「エクストリームマーシャルアーツ」「トリッキング」と呼ばれる動きも取り入れられるようになってきた。ダブルダッチではアクロバットをするのがもはや一般的、と言っても過言ではない。

またなわとび特有の高いジャンプ、特に単縄では3重とびや4重とびの着地で大きな負担が掛かる。これは「プライオメトリック」と呼ばれる運動で、筋肉へ掛かる負荷としては最大級のものだ。

これだけ負担が大きい運動なのだから、冷静に考えれば怪我をしないほうが不思議だ。アクロバットはもちろん、通常のジャンプであっても反復することで身体は確実に痛んでいく

- 補強運動としての筋肉トレーニングのススメ

なわとびもスポーツであり、きっとその中でも激しい運動に分類される。現役の選手やパフォーマー(縄のまっちゃんも含めて!)に、できるだけ長く現役としてなわとびをしてもらうためにも、補強運動としての筋肉トレーニングをお勧めしたい。

(※)手前味噌だけど、実は縄のまっちゃんは体育学部出身で、トレーニングをちょっとだけ勉強しました。

バレリーナに学ぶ筋肉トレーニング

なわとびは身体を守りながらも、身軽に動ける必要がある。実は筋肉はつければ良いというものじゃなくて、大きすぎると重りの代わりになってしまう!のを忘れてはいけない。ラグビー選手やアメフトの選手は上半身を鍛えて、重さを加えることでタックルや接触プレーに挑む。ゆえに彼らは大きく肥大した筋肉が必要なのだ。

なわとびの場合は「ダンサー」の筋トレが参考になる。男性バレリーナは高いジャンプ、美しい身体のライン、女性バレリーナを持ち上げる「リフト」の3つを同時に適えるエクササイズをしている。

筋トレは足を太く短くするだけ……! いま、鍛えるべきは「バレエ筋」です

(※)出典:MY LOHAS http://www.mylohas.net/

バレリーナの筋肉 NHK 「アインシュタインの眼」

(※)出典: 筋肉・筋トレ情報ブログ http://kinnikuinfo.blog.fc2.com/

 負荷を少なく、回数を多く

バレリーナの筋肉トレーニングで言われているのが、負荷を小さくして反復回数を増やす方法だ。一般的にイメージされるようなダンベルや器具を使ったものじゃなく、自重(=自分の体重)を利用したものが効果的だ。

具体的なやり方として、こちらのサイトがお勧め。この動画は、縄のまっちゃんも実践している大臀筋(おしり)とハムストリング(太ももの裏側)を鍛えるエクササイズだ。

(出典):うちトレ 109本の無料動画でおうちトレーニング http://uchi-training.com/

これ以外にもいろんな種類を紹介している。

縄のまっちゃんがオススメするのは上のエクササイズと、以下の5つ。

正面の筋肉は知らずに使っている!

お気づきの方もいると思うが、これらは全て身体の後ろ側を鍛えるエクササイズである。自重でやるエクササイズをいえば「腕立て伏せ」「腹筋」が有名だが、これらは身体の正面を鍛える運動になる。

不思議なもので、正面の筋肉は日ごろの運動でよく使い、程よく鍛えられているのだ。反対に後ろ側の筋肉は意識して鍛えないと衰えやすい。背筋や大臀筋(おしり)、ハムストリング(太ももの裏側)は弱くなりやすい。腰痛の原因も腹筋と背筋のバランスの崩れ、と言われている。腰が痛いからと腹筋を鍛えてしまいがちだが、実は背筋を鍛えるほうが効果的だ。(※)諸説あります

なわとびの補強運動にも、身体の後ろ側を鍛える運動をオススメしたい。

たとえばジャンパー膝を例にしてみよう。

ジャンパー膝は膝のお皿(膝蓋骨)の下部に痛みがある傷害だ。原因は大腿四頭筋という、太ももの前面にある筋肉の張り・疲労。

縄のまっちゃんも一時期、この怪我に悩まされてShowの度にアイシングをして凌ぐ、なんて日々が続いた。このとき、シルクドゥソレイユのフィジオからは「ハムストリング」と「大臀筋」を鍛えること、と言われ、上記のようなエクササイズを教えて貰った。

ハムストリングと大臀筋を鍛えることで、大腿四頭筋に掛かる負担を分散することが出来る。加えて、着地の時の衝撃をこれら二つの筋肉が吸収してくれるのだ。

- 立ち姿も美しく、そして痩せやすい

上記まで、怪我の予防のための筋肉トレーニングを紹介してきた。だが筋肉トレーニングの効用はそれだけに留まらない。トレーニング中に筋肉を意識することで、姿勢が改善されたり、立ち姿が綺麗になるのだ。後ろ側の筋肉を使うエクササイズを続けていると、骨盤を前方向に傾ける運動をする機会がかならずある。この骨盤を傾けるのが綺麗な姿勢を作る一番のポイントだ。

背筋のピンと伸びた歩き姿勢は見ていても美しい。パフォーマンス中も姿勢が違うだけで、随分と見栄えが違う

姿勢や身体の意識については長くなるので別の機会に書くことにしようと思う。

ひとつだけ、

正しい姿勢で立ったり歩いたりするのは疲れる。筋肉を使っているのだから当たり前。

ってことは、痩せるのだ。

姿勢を直すだけで痩せ体質に!?

(※)出典:ダイエットSlism http://slism.jp/communication/column/

とまぁ最後は随分と脱線したけど、

  • 傷害を防ぐため、なわとびであっても補強運動として筋肉トレーニングをしたほうが良い
  • 運動は負荷を少なく(=自重)回数を多く、バレリーナのエクササイズを参考に
  • 姿勢が良くなると、良いパフォーマンスに繋がるし、痩せる

別の機会に姿勢と身体の意識、そしてパフォーマンスについても書いてみようかな。

[スポンサードリンク]

この記事を書いてる人


縄跳びパフォーマー 縄のまっちゃん
 ※本名:粕尾将一(カスオショウイチ)

全国の学校やイベントで縄跳びをつかったパフォーマンスや出張なわとび教室を行い、子ども達に運動の楽しさを伝え笑顔を引き出す仕事をしています。

【略歴】
全日本チャンピオン、アジアチャンピオン、世界大会6位。2010年よりシルク・ドゥ・ソレイユ常設ショー「La Nouba」に6年間約2500回の長期出演を果たす。