シルクドソレイユアーティストの日常

リアリティは心の衣服を脱いでから。演じることは常に矛盾との戦い。

キャラクター練習を始めて早2ヵ月。
Baltoからの直接指導は減ったけど、着々と自主練習中。

少し前にTwitterでも紹介したこの動画。↓↓
ブログでも紹介しようと思って。

この動画は師匠のBaltoが教えてくれて、
シルホイールって演技にキャラクターを絡ませて、アクトに昇華したモノ。
Balto曰く、この映像のような演技を目指すのが自分に合っているらしい。

シルホイール:1輪の輪で演技をするアクトのこと。Corteoのアクトにもある。
詳しい説明はこちら

専門の人に聞いてみるとよくわかるけど、
このアーティストはシルホイールの技術も一流で、
そんじゃそこらの人がスグに真似は出来ない。

その気になればシルホイールの技だけでアクトを創作できるレベルだとか。

アクロバットの高い技術。
映像の人の場合は「シルホイール」、自分の場合は「縄跳び」だ。

「縄跳びとキャラクター」を融合させたアクト。
これこそが自分の目指す方向性。

この映像の人はブレない。
キャラクターが1秒ずつを動いていて、
どの場面も、技をする時でさえも、

「演者の○○さんじゃなく【キャラクター◆◆】」

が動いている。

勝手な想像ではあるけど、
この考え方は「演劇」で昔から使われてきた「メソッド演技」って手法に共通する部分がある。

メソッド演技とは wikipedia

キャラクターは日本語に訳すると「性格」。
アーティストの内面にある「面白そうな性格」を掘り起こして、外側に出す作業。
だから全ての人間が、本来生まれもってキャラクター。

でも、
「いつものように自然に演技をしてください」
っていうのが、大前提で矛盾。
だって演技をしている時点で「不自然」なんだもん。

これはメソッド演技の中でも「リアリズム」って言葉で表現されていて、
より現実に近い、自然に近い状態を目指す時、
無理に演じようとすれば「不自然な緊張、現実にはありえない言動や動作が起こる」
って言われてる。

つまり、

「演技をしたら不自然になるのは百も承知してます!」

「けど、リアリティを生み出すために内面から感情を元に台詞や動きを出します!」

「演技自体が不自然なのは宿命だけど、これに歯向かいます!!」

「言葉だけをなぞったり、変なテクニックは一切使いません!」

ってこと。
Baltoはこれを「心の衣服を抜いて裸になる」って表現する。

踏み込めば踏み込むほど、奥の深さに気付くんだよねぇ。

メソッド演技の中では恐ろしい文言も語られていて、

「一般客にはもしかすると、違いが分からないかもしれない」
「しかし演技を少しでも知っているものからしたら、リアリティの無い演技ほど見るに耐えないものはない」
「もはやそれは猿芝居」

2年前のキャバレー・・・
師匠のBaltoをはじめ、
アーティストには猿芝居に映ったのかもしれないなぁ。。。

さてと、
もう一回シルホイールの演技を見て、

鼻を付けて練習再開しようかな。