現役引退の決意に見え隠れする、絶望と安心のバランス

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来年のラヌーバは波乱がありそうだ。

 

複雑な気持ちになる情報が回ってきた。2014年契約更新でサインをしなかったアーティストが、結構な数になるらしい。

 

プライバシーの関係で正確に誰かはわからないが、オリジナルとして15年間勤めてきた人、新人、中堅、加えて大きな影響を受けたアーティストも辞めるかも知れない。

 

中には栄転する人もいるが、多くが「引退」の2文字を背負ってのサイン見送りだという。

 

サーカスアーティストが引退を考える。
それはどんな時なんだろうか。

技術に限界?
体力の限界??
はたまた別のこと??

 

ひとつ確実にいえるのが、競技の引退とは大きく意味が違うことだ。

知られているようにシルクドソレイユには「競技引退後」に参加する人が多い。競技力の頂点を目指すことからの引退は、時に年齢に関係ないことがある。たとえば怪我だったり、環境だったり、本人の意思にそぐわない形での引退もあり得る。

 

ではサーカスアーティストの引退はどうだろうか。きっとそこには「強い意志」が必要だと思う。
まだ実感として引退を考えたことはないけど、仮に自分が引退するかどうか迷ったとき、踏み切るには大きな決意と勇気が必要だ。

 

まず第一にこの世界は楽しい。

 

ステージに立つことは一種の麻薬的な快感を覚える。この快感を求めて引退を思いとどまる人も少なくないだろう。

 

次にサーカスになると「技術」の意味合いが広がる。たとえば体操競技をしていたとしよう。最初はトランポリンのアーティストとして出演していたとする。極端な話、一念発起で鉄棒の演目に移る、ということも可能だ。もちろん得意・不得意はあるから簡単にはいかないけど・・・。

 

でも可能性はゼロじゃない。気持ち次第ではまったく別のジャンルのアクトにチャレンジすることができる。

 

最後に、競技以上に「自分の居場所」を強く感じるからかもしれない。サーカスは勝ち負けの場ではない。ゆえにアーティスト同士は「家族」のような一体感を持つ。成功したときも、失敗したときも、家族と共に日々のShowの臨む。

 

何しろアクロバットは時に、命をかけた技をする。この強い繋がりは危険と隣り合わせなサーカスゆえの、独特なものだと思う。

 

今回、ラヌーバから多くのアーティストが引退する。彼らの思うところは何だろうか。

日々のShowに疲れてしまったのだろうか。
別の道へ進むため苦渋の決断だったのだろうか
年齢と体力、技術を加味した判断だったのだろうか。

 

いずれにしても、

 

強い意志を持って引退を決意した彼らに、感謝、拍手、そして今後の応援を送りたい。

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この記事を書いてる人


縄跳びパフォーマー 縄のまっちゃん
 ※本名:粕尾将一(カスオショウイチ)

全国の学校やイベントで縄跳びをつかったパフォーマンスや出張なわとび教室を行い、子ども達に運動の楽しさを伝え笑顔を引き出す仕事をしています。

【略歴】
全日本チャンピオン、アジアチャンピオン、世界大会6位。2010年よりシルク・ドゥ・ソレイユ常設ショー「La Nouba」に6年間約2500回の長期出演を果たす。