ラヌーバ「なわとびアクト変革計画」 第三弾  ~マネージャーとしてのソリスト~

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ラヌーバのなわとびアクト改変計画も佳境に差し掛かってきた。

変革は続いていく。
そしてアクトは進化し続ける。

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今回の変革は大きな柱の二つ目、トライアングルに関する変更だった。

暫定的に変更されたものをShowでやっていたが、
ディレクターの描いていた理想に向けて、最終調整が行われたのだ。

以前の記事でも書いたが、簡単に変革と言っても大人数が関わるため、簡単には事は進まない。
たったひとつの動きを変えるために、
付随する多くの人間を動かさなければいけない。

さらに「なわとびの課題」も加わり、
想像をはるかに超える時間が必要となる。

- ディレクターは船頭、コーチは指示係

シルクドソレイユではディレクターが構想したことに対し、
アーティストがどう動くかをコーチが考え、実際の練習に移る。

もちろんアクロバットに関してもコーチが手助けをするのだが…
なわとびの場合、少し事情が違う。

 

残念ながらラヌーバにはなわとびのコーチはいないのだ。
自分たちソリストの二人以外、なわとびの知識も少ない。

コーチはサーカスアクト一般の事、ダンス、体操競技に関しては一通りの知識がある。
ところが、なわとびというのは特殊すぎるのだ。

残念ながら普通のコーチは「なわとび」に関して殆ど経験がない。

そこで自分たちがコーチがやりたいことを汲み取り、
なわとびの課題がどこにあるかを読み解く。

ソリストにはこんな仕事が求められるのだ。

 

「なんで引っかかるのか?」
「どうしてできないのか?」

見た目には簡単そう。
ゆえに、何が問題かを捉えるのが難しい。

- マネージャーとしてのソリストの役割

問題が起きると、真っ先に犯人探しが始まる。

「縄の回しがよくない」
「跳ぶ人が遅い」
「誰々が邪魔で動きが遅れた」

 

挙げればキリがない。
当の本人たちも真剣だからこそ、より大変。

まず「問題は複雑」であることを理解させる必要がある。

 

時には苛立っているアーティストをなだめることも。
なぜなら、彼らを含めコーチやディレクター、リハーサル全体が、

「なぜ失敗しているかが分からない状態」

というのが一番のストレスだからだ。

たとえば、長縄に引っかかる問題があるとしよう。

見た目には「跳ぶ人」が遅れているように見える、
じゃ「跳ぶ人」に指摘をすればいいか?というと、
問題はそう単純じゃない。

 

もちろん跳ぶ人の問題も考えるが、それ以外にも、

「縄を回す人の合わせ方は良いか?」
「前後を跳ぶ人の動きはどうか?」
「全体のスピードが早すぎないか?」

など、複数の要因を加味していかなければいけない。
単純な指摘だけでは、結局同じミスを繰り返す。

 

ソリストはこんなことを瞬間的に考えて、
どこが問題の本質か、何を指摘をすれば解決するかを判断し、
最終的にコーチに伝える。

 

自分たちの一言でリハーサル全体の空気が変わってしまうこともある。
上手く問題が解決すればいいのだが、
仮によからぬ結果になれば、逃げだしたくなる程の空気が流れる。

- 見抜く力

専門家が少ない状況では、
原因不明というストレスにより、どうしても全体の空気が悪くなりがちだ。

 

指摘のせいで、むしろ状況を悪化させることもあるし、
自分自身のミスの場合、誰かにミスを擦り付けているように取れる事がある。

中には、自分たちの立ち位置を良く思わないアーティストがいるのも事実。

でもやっぱり、
なわとびアクトを良くしたいって思いが強いから、頑張れる。
おかげで「問題点を見抜く力」が付いたかな。

 

なわとびのソリストである自分たち以外、
他のアーティストはキュー呼ばれる「脇役」としてなわとびのアクトに参加する。
すると悲しいかな、個人によってはモチベーションの温度差が出てしまう。

どうしたら、彼らに心地よくリハーサルをしてもらうか、
どうしたら、なわとびの楽しさを感じてもらえるか、

日々のトレーニングへこんなことを考えながら臨む。

変化していくアクトでソロを演じることはもちろん、
別の角度からアクトに関わる。

これらの学びが、もう一つのやり甲斐になっている。

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この記事を書いてる人


縄跳びパフォーマー 縄のまっちゃん
 ※本名:粕尾将一(カスオショウイチ)

全国の学校やイベントで縄跳びをつかったパフォーマンスや出張なわとび教室を行い、子ども達に運動の楽しさを伝え笑顔を引き出す仕事をしています。

【略歴】
全日本チャンピオン、アジアチャンピオン、世界大会6位。2010年よりシルク・ドゥ・ソレイユ常設ショー「La Nouba」に6年間約2500回の長期出演を果たす。