俺の考える技術論 「タテ」と「ヨコ」の技術

今回は技術のお話。

少し前にアイディアvs技術っていう構図で波紋を呼んだ記事を書いた。

技術とは「媚売り」の「クソくらえ」である – なわとび1本で何でもできるのだ

少々過激なこの記事にもいくつか意見が寄せられて、
自分も新しい発見があったり。

そこでいい機会なので、技術について体系立ててまとめてみることにした。
頭の中では明確にまとまってるけど、これがまた文字に表すと結構な分量…。
ってことで小分けに記事にしようと思う。

 

初の今回は「技術の伸ばす方向」について書いてみたいと思う。

 

まずは技術の説明をwikiさんから引用。

創作活動等において技・技術を屈指して用いるさまざまな手法を技法(ぎほう)という。技術を用いる能力は技能(ぎのう)と呼ぶこともある。希少価値のある高度な技能は一般に高く評価され、保護の対象となる。

 

技と術

技と術(すべ・じゅつ)は人の能力・機能・動きを表す概念である。技は特定の目的を持ち、その目的を果たすための手段・手法であるが、これを体系的にまとめたものを術という。

技術 – Wikipedia

まぁ小難しい…。
ようは何かしら目的を持って行う動き、たとえば空中で2回縄を回すとか、に必要な手段ってとこかな。

 

んで、いつも自分が技術練習するときに考えてるのがコレ。

①タテ方向の技術
②ヨコ方向の技術

 

タテってのは上下方向。
言い換えれば技そのもので、2重とびだのドンキーだのって名前がついてることが多い。

ヨコってのは振れ幅。「技+α」の負荷を表す。
たとえばダブルダッチでスピードを跳ぶとき、基本はターナーを見る。
でもそれを敢えて客席の方を見るとなれば、技だけじゃない何かしらの技術が必要になる。
言い換えれば熟練度だったり応用だったりするのかな。
これがヨコ方向。

 

- タテ?ヨコ?

タテ方向の技術は、何種類技ができるかが指標になる。
2重とびだけができる人よりも、
3重跳びやハヤブサができる人のほうがタテ方向の技術が高いことになる。
単なわだとより回旋数が増えて、交差が複雑になって…。

宙返りだと「ひねりなし」「半分捻り」「1回捻り」みたいな。

 

これに対してヨコ方向の技術は、見た目には同じ技。
例えばどちらも2重とびができるとして、
片方の人はまえとび3回からリズムを付けて入ればできるのに対し、
もう片方の人はいきなりできるし、跳びながら場所移動もできる、みたいな。

この場合は後者がヨコ方向の技術が高いことになる。
別の表現だと熟練度が高いとも言えるけど、ただ上手なだけじゃない。
環境を変えてもできるっていう要素が加わるのだ。

 

まぁ技によっては明確にタテとヨコを区別できないこともあるけどね。

 

- 意識負荷という考え方

この意識負荷というのは自分が勝手に作った造語。
砕けた表現をすれば頑張ってる度数

もしかしたら別の意味で学術論文に定義されてるかもしれないので、ここでは以下の意味として定義。

技をするときに、どのぐらい意識が必要かの指標。

たとえばバク転をするとする。

バク転を習得したばかりの人が、恐る恐るマットに向かって行う。
腕の振り方はこうで、膝を前に出さないように気をつけて、手首を内側に向けて…。
失敗しないかなという恐怖も重なり、いろーーーんなことを頭を駆け巡る。

一方でバク転歴数年の体操選手。
彼らはバク転をするときに腕の振り方だの膝だのってイチイチ意識してるだろうか?
もちろんそんなことなくて、彼らはすべてひとまとまりの動きとして、ヒョイとやれば出来てしまう。
細かい身体の動きや意識を、ほぼ無意識に近い状態でこなしてしまう。
これを自動化された状態と呼ぶ。

日常動作だと歩く動作は自動化されている。
凸凹のある床も歩ける。階段も登れる。
さらに歩行動作上級者の我々は、
スマホでゲームをしながらエスカレーターを登ることだってできる。

さて、バク転に話を戻そう。

先の初心者と体操選手を比べた時に、前者の初心者は意識負荷が大きくて、後者は意識負荷が小さい。

 

★★

 

自分は人が動いている間に意識できる総量が決まっていると考えている。
先の例のバク転初心者は、バク転そのものをすることに意識の大半を使っている。
ミスるかもしれないし、怪我するかもしれない。
つまり技自体に必死なのだ。

一方の体操選手は、バク転そのものには多くの意識を入れていない。
最低限の意識でバク転自体は達成できてしまう。

 

ここには意識の余裕がある。

 

意識の余裕があると別の箇所に意識を使うことができる。
バク転だったら膝を閉じることやラインに意識を回せる。
もし次に宙返りへ繋げるのであればバク転中にも関わらず宙返りへ意識を入れることができるだろう。

 

同じことが縄跳びにも言える。

 

技そのものに大きな意識負荷がなければ、別の箇所に意識を回せる。
客席に向かって顔を上げることもできるだろうし、
身体の姿勢を変化させることもできる。
スピードやリズムを変化させることもできるようになるだろう。

 

- まとめ

Dance-0117 Orton

 

今回は技術を伸ばす方向についてまとめてみた。
自分が何気なく発言する技術にも「タテ」「ヨコ」がある。
この2つをごちゃ混ぜに話を進めるから、誤解を招くってこともあるわけで。

タテ方向の技術を伸ばすのは大切だ。
単純に種類が増えればそれだけ演技の幅が広がる。
技を修得する楽しみもある。

しかし自分が大切にしたいのはヨコ方向の技術である。
意識負荷を低く抑えることができれば余計なことを入れ込む隙間ができるから。

ではでは、また次回。

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この記事を書いてる人


縄跳びパフォーマー 縄のまっちゃん
 ※本名:粕尾将一(カスオショウイチ)

全国の学校やイベントで縄跳びをつかったパフォーマンスや出張なわとび教室を行い、子ども達に運動の楽しさを伝え笑顔を引き出す仕事をしています。

【略歴】
全日本チャンピオン、アジアチャンピオン、世界大会6位。2010年よりシルク・ドゥ・ソレイユ常設ショー「La Nouba」に6年間約2500回の長期出演を果たす。