独学の限界は「個々に適した上達法」を見つけきれないコト。

これまで「二重跳び」と「交差とび」の練習方法をブログを通じて紹介してきた。
そして、これは!と感じる記事を見つけた。

ナゼナニコミチ

 

そもそも小学校低学年で人差し指を伸ばしたままグリップを持つのはムリ
「力が入っちゃうし、気がちっちゃう」

そう。スポーツ店のパネルは大人が書いています。

自分は交差とびの練習方法で人差し指を伸ばすことを推奨している。
ってことでこの記事は真っ向から反対の事を言ってるわけで。

いい機会なので、技習得の練習方法について自分の意見を述べておこうと思う。

 

- 薦めるのは大人。だから違う?

前出の記事によると、スポーツ店のパネルに「人差し指を伸ばせ!」と書いてあったようだ。
全国で声高にマウス持ちを推奨してきたのは自分なので、パネルの発言にも少なからず責任があると思う。
そして記事主さんのお子さんによれば、人差し指を伸ばすことでむしろ逆効果だと言う。
ちゃんとグリップを握らないと力が入らないし、気が散ってしまうのだとか。
(※)写真にあった握り方はリモコン持ちだった

そしてスポーツ店のパネルは「大人が書いている」ことを指摘。
小学校低学年が人差し指を伸ばしたままで回すのば、やはり難しいだろうと結論づけている。

結果、マウス持ちをやめたことで、無事にあやとびが出来るようになったらしい。

 

- え?マウス持ちダメなの?

結論から言おう。このケースではマウス持ちは間違っていた。
記事主さんのお子さんがあやとびを習得されたのが何よりの証拠で、目的はあくまで技を習得すること。
マウス持ちをしないほうがやりやすく習得できた、というので認めざるをえない。

じゃ自分の推奨する練習方法とはなんだったのか。
大人が考えた理想論だったのだろうか?そうではなくて、
これは一定の子どもや集団で試したら効果あったよ!!
という話だ。

仮にお子さんにマウス持ちが合わないと感じたとしよう。
そうしたら、記事主さんのように色んな方法を試していただきたい。
体つきも違うし、運動経験も違う、性格だって違う。技の習得にはいろーーーんな要因か関係する。
場合によってはマウス持ちが合わないことだってある。
二重跳びの予備跳躍が3回じゃないほうがやりやすい場合だってあり得る。

 

- じゃ練習方法って何さ

自分が紹介している練習方法だと、ザックリ6-7割程度の子どもには効果があったと思う。
裏を返せば決して少なくない3-4割の子どもには効果がなかったのだ。
もちろん彼らが悪いわけでも努力が足りないわけでもない。

単純に、彼らにとって練習方法が合わなかっただけのことだ。
これが非常に大切なポイントで人には合う練習方法と合わない練習方法がある。

繰り返すがそれは本人のせいでも教える大人の責任でもない。端的に言えば個性である。
せっかく教わった練習方法なのに出来ないからうちの子はダメだ、なんて絶対に考えないでいただきたい。
練習方法は万能ではない。まだ合うものが見つかっていないだけなのだ。

しかもややこしいことに、実際に試すまでどの練習方法が合うかは本人を含めて誰にもわからない。
たとえば自己流のやり方で技を習得できたのなら、もうそれでOKだ。
別の練習方法は必要ない。その人にとって合うやり方が最も良い練習方法だ。

だが仮に自己流が上手く合わなかったらどうしようか。
努力が足りない、やる気が無いといっても始まらない。

 

だからこそ自分は練習方法を紹介している。

 

自己流の練習方法も大切な方法の1つだが、もっと別の練習方法だってある。
仮に1つの方法がダメでも別のものを試す機会が生まれる。
そうすればその人に合う練習方法を見つけられる可能性が高くなる。

新しい技を習得するとは、
ブラックボックスに語りかけて正解を見つけるある種の賭けとも言える。

 

- ここにコーチの仕事がある

これまで見てきたように、技の習得はいかに合う練習方法と出会えるかに掛かっている。
6-7割の子どもが出来る方法でも、本人にとって合わなければ何の意味もない。

ただ誤解を生まないように付け加えるが、あくまで最低限の反復練習は必要だ。
「1回やってダメ、じゃ次の」という姿勢では身につくものも身につかない。
一定期間の反復練習を経てもなお練習方法が合わないと感じた時、別の方法へと移っていこう。

 

ちなみに、先の例にあったように「小学校低学年」にあやとびを教える場合、おそらく自分もマウス持ちは教えない。
なぜなら小学校低学年にとってはシッカリ握れる「リモコン持ち」の方が有効なのは自分も同意できるからだ。

それだけじゃない。

ジャンプのリズムはどうなのか、
縄の長さはどうか、
そしてこの子の課題は何なのか、

というように、より個人的な課題へ目線を向けてる。

 

そう、これがコーチの仕事だ。
コーチはただ練習方法を列挙するだけでなく、目の前の子ども・集団の課題を見抜く。
技術がどの段階にあるのか、次の課題は何なのか、そして解決するにはどうするか。
反復練習をさせる必要があるのか、練習方法が合っているかを考える。

そのために多くの練習方法を学び、理論を頭に入れ、実践で活用する。
こればかりは知識や経験を持っている人でないと難しい。

 

- まとめ

Anybody Seen My Glasses?

今回は人差し指を伸ばす持ち方「マウス持ち」を通じて、練習方法の捉え方について紹介した。

技習得の練習方法は目の前の子ども・集団に合うか合わないか一番重要だ。
合う練習方法はいい練習方法だし、合わなければ良い練習方法じゃない。

だから、どんな練習方法であろうと万能とは思わないでいただきたい。
1つの方法を試してもダメなら、必要以上に固執せず別の練習方法を試そう。

 

答えの見えないブラックボックスも数を打てば当たる。

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この記事を書いてる人


縄跳びパフォーマー 縄のまっちゃん
 ※本名:粕尾将一(カスオショウイチ)

全国の学校やイベントで縄跳びをつかったパフォーマンスや出張なわとび教室を行い、子ども達に運動の楽しさを伝え笑顔を引き出す仕事をしています。

【略歴】
全日本チャンピオン、アジアチャンピオン、世界大会6位。2010年よりシルク・ドゥ・ソレイユ常設ショー「La Nouba」に6年間約2500回の長期出演を果たす。