海外では「名前を呼ぶ」が想像以上に重要なコミュニケーション

日本から帰国して早1週間。
時差ボケの劇的な眠気からも開放されて、ようやく身体が戻ってきた感じだぁ。
毎回のことだけど何とかならないものかなぁ…。

さて、あなたは最近いつ「名前」を呼ばれただろうか?
日本から帰ってきて改めて気付いたんだけど、ここでは何度と無く名前を呼ばれる。
しかも別に用事があるわけじゃなくて挨拶程度の会話の中でもだ。

 

意識しながら聞いてると、言葉の違いって面白い。

 

まず1日の始まり、ここから名前は連呼される。
シアターで合う人殆どに「Shoichi~~」と声をかけられ「How are you?」みたいに繋がる。
アーティストだけじゃなくて裏方さんやら上司やらみーーん名前を呼んで挨拶をするのだ。

もちろんこれは自分だけじゃない。
みんなお互いの名前を呼び合って挨拶をし、会話を始める。
挨拶じゃなくても、頻繁に誰かが名前を呼んでるのを耳にする。

 

これ、日本じゃあんまり見なかった。

 

日本語って主語を入れなくても会話が成り立つ。
だから目を見て「あのさー。」って投げかければ、名前を呼ばなくても会話は開始できる。
もちろん遠くにいたり、大勢の中で特別に声をかけるシチュエーションになれば名前を呼ぶかもしれない。
それでもアメリカ生活の中より圧倒的に少ないと思う。

 

- 名前への特別な思い

これは個人的な感想だけど、
世界の人達は日本人が感じている以上に「名前を呼ばれること」を喜ぶと思う。
その証拠に些細な日常会話であろうが、事務的な伝言であろうが、ちょいちょい名前を挟んでくるのだ。
この流れで名前呼ぶ必要ある?みたいな場面でも、しきりに名前を呼ぶ。

日本人はどうだろうか。
正直、会話の中で相手の名前を呼ぶ機会って少ない。
不思議なことに漢字を違えられると気に触るのに、会話で呼ばれなくても気にしてない人が多い。

ちなみに自分達は未だによく名前を間違えられる。
シアターに日本人が2人しかいないし、同じメイクで歩いてる。
そりゃどっちかを瞬間的に判断するのって難しいよね(笑)

最初のうちは訂正してたけど、最近は面倒くさいからスルー。
でも相手が気づくと、今度は物凄い勢いで謝ってくるから面白い。
あまり英語では「sorry」という表現を使わない方がいいって聞くけど、この場合にはsorryを連発してくる。
そのぐらい、彼らには名前を間違えたことに対する申し訳ない気持ちがあるのかな。

 

- 名前を呼ぶ実験をしてみた

面白そうなので、意識的に相手の名前を呼ぶ実験をしてみることにした。
4年もいればシアターにいる人は殆ど名前がわかる。
向こうも毎日Shoichi~~って声をかけてくるんだし、同じタイミングで相手の名前を呼び返す。

あとはアクトに関することや、伝えたいことがある場合も同じ。
ダブルダッチのチームメンバーにも意識的に名前を付けて発言をするようにしてみた。

これまで:

「少しスピードが遅いから早くしてほしい」

実験:

「○○〜〜。少しスピードが遅いから早くしてほしい」

まぁこんな感じにね。

★★

 

実験の結果は想像を超えるものだった。
端的に言えば会話を多くするようになった。
これまでは挨拶を交わす程度の友達だった人も、名前を呼ぶようになってからはガンガン喋ってくる。
週末にこんなことをしたとか、日本語の○○ってどういう意味?とか、
些細な日常会話だけど明らかに言葉を多く交わしている。

またアーティストは、以前にも増して積極的に意見を言ってくれるようになった。
これまでは縄跳びの技術的なことを一方的に伝えることが多かったけど、
彼らからも「○○が遅かった」「あの場面で引っかかりそうになった」みたいに、
不具合や調整してほしいことに対する率直な意見を貰えるようになったのだ。

 

縄跳びアクトに意見を言ってもらえる=アクトに関心を持ってもらえていること。
アクトはみんなで創りあげる以上、意見は喉から手が出るほどほしいのだ。
自分としては願ったり叶ったりの状況。

お陰でこれまで以上にアクトの調節や軌道修正がやりやすくなって全体の雰囲気もいい。

 

- たかが名前と侮れない

Jaguar, DZP

コミュニケーションはアクトやショーを維持する上で重要だ。
ここにいる人間、一人一人の協力でショーは成り立っている。
今回の実験で特にアーティスト同士のコミュニケーションが円滑になったのは間違いない。
ただ会話で名前を呼ぶことを加えただけだが、実に興味深い結果になった。

 

たしかに言われてみると、自分の名前を呼ばれるって気恥ずかしいけど悪い気はしない。
日本語では強いて呼ぶ必要ないかもしれないけど、
あえて「名前」を加えてみることで、コミュニケーションが少しだけ円滑になるかもしれない。

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この記事を書いてる人


縄跳びパフォーマー 縄のまっちゃん
 ※本名:粕尾将一(カスオショウイチ)

全国の学校やイベントで縄跳びをつかったパフォーマンスや出張なわとび教室を行い、子ども達に運動の楽しさを伝え笑顔を引き出す仕事をしています。

【略歴】
全日本チャンピオン、アジアチャンピオン、世界大会6位。2010年よりシルク・ドゥ・ソレイユ常設ショー「La Nouba」に6年間約2500回の長期出演を果たす。