【ジャンル別】シルクドソレイユのアーティスト(パフォーマー)に求められる素質とは?

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photo by joiseyshowaa

シルクドソレイユは、ステージで演技をする人をアーティストと呼びます。

 

アーティストとは「極めた人」という意味。ステージに立つことを極めた人という敬意を表し、パフォーマーではなくアーティストと呼ぶのです。

 

しかし一括りにアーティストと言ってもその専門性はバラバラ。1つのジャンルでは必須でも他のジャンルでは無くても問題ない素質もしばしば。

 

今回はステージに立つ立場から見た「シルクドソレイユのアーティスト」に求められる素質をまとめてみました。

- アーティストの種類は大きく5つ

明確に線引が出来ない部分もありますが、大まかにアーティストは以下の5つに分類されます。

・House Tromp
・ソリスト
・キャラクター
・ダンサー
・クラウン

 

これらのアーティストに求められる素質を「専門技術」「表現力」「その他」の観点から紐解いてみようと思います。

- THE ジェネラリスト/House Tromp

まずはHouse Tromp。彼らは集団演技をするアーティストの総称です。4名以上で行い体操系種目の出身者が多く居ます。
(例)OVOのトランポウォール

 

House Trompに求められるのは何より「基礎力」。日本の新卒採用のように、才能のある若人をシルクドソレイユが育ててアーティストにしよう!という目的のもとに集められ、ステージに上り詰めた人々です。

 

ここで言う基礎力とは殆どの場合で「体操の基礎」や「ダンスの基礎」と言い換えることが出来ます。例えば体操出身のアーティストの場合、シッカリとしたアクロバット技術が 身に付いているか否かが重要になります。同じことがダンサーのHouse Trompにも言えます。

 

本部で行うジェネラルトレーニングを経て契約を交わす、大半のアーティストがHouse Trompです。

- No.1よりオンリーワン!/ソリスト

ソリストとは特殊な技術・技能を使ってパフォーマンスをするアーティストのこと。縄跳びもこれに入ります。
(例)縄跳び、ジャグリング、バトントワリング

 

ここでは他者より上手か?より「あなた特有の何か」が重視される傾向にあります。競技でトップに立つことよりも、出演の段階であなたにしか出来ない演技を持っていることが重要になります。

 

たとえばHouse Trompにはオリンピック選手や世界チャンピオンが大勢いますが、ソリストには競技成績は殆ど関係ありません。縄跳びでシルクドソレイユに出演するソリストは現在4名いますが、この中で本格的に競技に取り組んだのは自分だけ。

 

「素地」が重視されるHouse Trompよりも、ある程度完成された「個性」が求められるのです。

- 個性のデパート/キャラクター

これ、自分がなりたいやつです。ww
キャラクターとはショーの中心的な役割を演じるアーティストの総称です。
(例)Koozaのトリックスター、Corteoのホワイトクラウン

 

キャラクターで重視されるのは「圧倒的な存在感」です。構成上アクロバットをすることもありますが、キャラクターの主な役割や表現を通じてショーの世界観を客席に届けることにあるのです。

 

そのため一口にキャラクターと言っても、演技内容は千差万別。Koozaのイノセントは役者、トリックスターはアクロバッターとしてキャラクターを演じています。

 

あなたの専門技術はもちろん、ショーの世界観と合う「+αの何か」が求められるアーティストです。

- 技術だけではない迫力/ダンサー

このジャンルは悩みました。書いて字のごとくダンスでステージに立つアーティストです。ショーによってはキャラクター、House Tromp、ソリストとして出演している所もあります。
(例)La Noubaのバレエダンサー:キャラクター、Michael Jackson:House Tromp

 

あるサーカス関係者の言葉に、

「一流のアスリートが一流のアーティストになれるとは限らない」
「でも、一流のダンサーは間違いなく一流のアーティストになれる」

参考:白い扉の向こう側 ようこそシルク・ドゥ・ソレイユへ

というのがあります。

 

自分が思うのは、選ばれているダンサーには迫力があります。大きなステージで1人踊っていても、ぐ~~っとこちらに訴えかけてくる何かがある。これを一般的に「表現力」と言うのかもしれません。

 

また彼らは強烈な印象を残します。先日見たAmalunaのダンサーは、肩甲骨と腕が気持ち悪く特徴的に動いていました。あのインパクトは一度見たら忘れられません。

 

表現力、技術力、存在感、、、ダンサーはあらゆる素地を持ち合わせています。先に上げた言葉の通り、間違いなく一流のアーティストになれるという言葉にも納得できます。

- 表現力の王様/クラウン

ご存じの方も多い、アクト間にコメディを演じるアーティストです。たいていは2人1組で「オーグスト(ボケ)」と「ホワイトフェイス(ツッコミ)」が居ます。

 

表現力、間のとり方、臨機応変さ、など他のジャンルとは一線を画する特殊な技術が必要とされます。そのため殆どのクラウンはサーカス学校出身。もしくはコメディアン出身の人ばかり。

 

師匠のBalto「クラウンは細い糸の上をゆっくり歩くようなもの」と表現しました。適当にバカなことをやっているように見えて、緻密な計算と敏感な空気の察知力が要求されます。お笑い芸人さん達も使う「テンドン」や「笑い待ち」と言ったテクニックもあり、個人的には最も難易度の高いアーティストだと思います。

- まとめ

いかがでしたか?
一言にアーティストと言っても求められる素質はマチマチ。あなたの目指すジャンルではどんな素質が必要でしょうか。

 

最後に、2つだけ全てのアーティストに共通していることがあります。それは「高所の適性」と「好奇心」。サーカスである以上は高所恐怖症では仕事が務まりません。自分たちも約20mからバンジーをしています。

 

そして未知の事にも臆せずチャレンジできる勇気、好奇心。シルクドソレイユでは常に新しい事を求めています。やったことがないからやりたくない、では永久にチャンスは巡って来ません。

 

この記事を読んだ人と、将来シルクドソレイユのステージで共演できる日が来たら嬉しいです。

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この記事を書いてる人


縄跳びパフォーマー 縄のまっちゃん
 ※本名:粕尾将一(カスオショウイチ)

全国の学校やイベントで縄跳びをつかったパフォーマンスや出張なわとび教室を行い、子ども達に運動の楽しさを伝え笑顔を引き出す仕事をしています。

【略歴】
全日本チャンピオン、アジアチャンピオン、世界大会6位。2010年よりシルク・ドゥ・ソレイユ常設ショー「La Nouba」に6年間約2500回の長期出演を果たす。