アイツがムカつくのは「情熱の摩擦」が原因かもしれない

tell me, where is the love?
Photo By Tony Fischer

 

チームや組織で仕事をしていると「アイツは上から目線でウザい」「アイツはやる気が無いから腹立つ」といった不満がよく聞かれます。

 

かく言う自分たちも、ダブルダッチの導入で同じ問題に悩まされました。

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ショーに導入するまでの練習は大変でした。それでもショーという目標に向かったことで団結ができました。でも本当に大変だったのはショーで披露してからだったのです。

 

「(もう出来てるのに)なぜ練習するんだ?」
「◯◯のやる気が無いのが問題だ!!」
「頑張ってるのに何でそんな言い方するんだ?」

 

それはそれはハッキリと不満を言い合うチームでした。全員がいい演技をすることを目指しているのに、なぜか上手くチームが成り行かない。あるアーティストなんかは「もうダブルダッチ辞めたい」と言い出す始末…。

 

でしゃばりな性格ゆえ、なんとかチームをまとめたい。
ここで自分が気付いたのが「情熱の摩擦」という問題点でした。

 

- ケース① リーダーがチームの情熱奪うパターン

まず浮上してきた不満は「なぜ出来るのに練習が必要なのか?」というものでした。だってもうショーでやってるんです。ミスは無いのに毎日練習をする理由がわからないとキレられました。

 

たしかにステージではミスはありません。でもまだ求めたいレベルには達していなかった。自分が求めたのはミスがないだけの演技じゃなく、余裕を持ってステージに立てる演技。まだまだ技に集中しなければミスをする段階だったので、もう一つ上のレベルに持ちあげたかったのです。

 

自分は「もっといい演技が目指す!」と情熱を燃やし、チームメンバーは「出来てるし、いいじゃん…」と疲れた顔を見せる。ここで、1つめの情熱の摩擦が生まれました。

 

自分は「練習に真面目に参加してくれない!」と苛立ち、メンバーを呼び出しては何度も注意しました。あげく「この状態をなんとかしなければ!」と、もはや狂気とも思える情熱を燃やす始末。

 

一方でチームメンバーにしてみれば練習をする理由が分からない。無駄に思える作業に情熱を燃やせる人はいませんよね。ショーで披露するという目標が達成された今、練習は単純作業員成り下がりました。そして単純作業を繰り返すほど、情熱の火が小さくなっていくのです。

- ケース② メンバー同士で消耗し合うパターン

ダブルダッチはロープが難しい。跳ぶ人に目が行きますが、実はロープを回す人の技術があってこそ。跳ぶ:回す=2:8とも言われるほど、ロープ操作は重要なのです。

 

このロープ操作も、チーム内で自然に技術の差が生まれます。始めのうちは◯◯は上手だなぁ!!というポジティブな空気でしたが、時間が経つに従って雰囲気が変化します。上手な人が上手であることを自覚し、苦手な人を指摘(攻撃)し始めるのです。

 

攻撃される方もはじめは大人しく聞きます。指摘が的を射ておりチームにとってもプラスだからです。ところが次第に雲行きが怪しくなり、指摘される方の顔が暗くなる。あるところまで行くと「○○の指摘は上から目線で気に食わない」と不満が出てきます。

 

ここでも情熱の摩擦が生まれてしまいました。

 

たとえ上手な人の意見でも、毎回聞かされるうちに嫌味に聞こえてきます。なんでコイツに上から目線で言われなきゃいけないんだ!?と。徐々に意見に耳を貸さなくなり、最後には「ダブルダッチ辞めたい…」と情熱の火を消してしまいます。

 

上手な人も善意で発言しているからシンドイ。上手だと周囲に認めてもらえたことで、より情熱が燃え上がります。もっと自分が指摘して周囲が上達すれば、チームとしてレベルアップするに違いない!と。彼の情熱が燃え上がるほどに、周囲の情熱の火は薄れていくのです。

- ケース③ 頑張りが暴走するパターン

ショーを重ねるにつれ、メンバー全員が実力が上がったと実感し始めました。演技中の余裕すら感じられます。

 

この頃になると、メンバーから「もっと難しいことをしたい!」という要望が出るようになりました。こんな技をやりたい、カッコよく跳びたい、○●に挑戦したい…チーム全体の情熱が高まっていくのが分かります。

 

ただ、残念ながらこれは錯覚です。たしかに上達はしていますが、彼らの思い描く要望に飛び込めるほどのレベルにはありませんでした。例えるなら「自転車に乗れるようになったからウィリーをしたい!!」と言っているようなもの。理想と現実との溝を正確に理解していなかったのです。

 

新しいことに挑戦したい気持ちもありつつ、ショーとして成り立たせる必要がある。苦渋の判断で要求の大半を却下せざるを得ませんでした。

 

ここに、再び情熱の摩擦が生まれます。

 

チームが過剰に情熱を燃やし、リーダーが情熱にリアクションしてくれない。ケース①と反対方向の摩擦です。高みに挑戦をしたいのにリーダーが認めない。威張っているくせにイザって時に親身になってくれない。一時は急騰したチームの情熱は、反発で急落するかリーダーへの不信感となって拡大します。

 

これは高まった情熱をコントロールできず淀ませてしまった結果。行き場を無くしたエネルギーは、反発や不信感になり爆発してしまったのです。

 

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- まとめ

物事を成し遂げるのには情熱が必要です。しかし、情熱はあればあっただけ良いというものではありません。チーム内の情熱の落差は摩擦を生み、最悪チーム自体を崩壊させます。

 

大切なのは変動する情熱のエネルギーをコントロールすること。

 

チームでモメ事の絶えない時、一歩引いて「情熱の摩擦」を疑ってみてはどうでしょうか?

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この記事を書いてる人


縄跳びパフォーマー 縄のまっちゃん
 ※本名:粕尾将一(カスオショウイチ)

全国の学校やイベントで縄跳びをつかったパフォーマンスや出張なわとび教室を行い、子ども達に運動の楽しさを伝え笑顔を引き出す仕事をしています。

【略歴】
全日本チャンピオン、アジアチャンピオン、世界大会6位。2010年よりシルク・ドゥ・ソレイユ常設ショー「La Nouba」に6年間約2500回の長期出演を果たす。