なわとびコラム

ダブルダッチを体育授業に導入するのに必要な「集団への教え方」という視点

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こんにちは!縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。

以前、ダブルダッチを学校体育の中に取り入れるための課題について記事を書きました。自分はその主な課題は、回すのが難しいロープだと考えています。

■参考記事:ダブルダッチを学校体育で広めるのに必要だと思うこと – なわとび1本で何でもできるのだ

たしかにロープを回すのは難しいです。一朝一夕に習得できるものでもありません。ですがロープを回すのが難しいのと同じように、どのようにダブルダッチを教えるか?という方法も不足していると思うのです。

ここ数年で爆発的にダブルダッチスクールが増えました。ジュニアを国際大会で優勝させる指導力はさすがです。では、はたして30人を一度に教えられるコーチはどのぐらいいるでしょうか?

学校の体育は基本がクラス30人。しかも先生は1人。ロープを回すだけでなく、大人数の子ども達をうまくマネジメントして上達させる必要があります。

そこで今回は、学校体育授業研究をしている、TOSS研究会の表先生の提案する「ダブルダッチ指導法」を紹介したいと思います。

表先生のダブルダッチ指導
■参考記事:表克昌氏のダブルダッチの指導 | TOSSランド

ダブルダッチの基本は「迎え縄」

表先生の方法論ではまず「迎え縄」*1を練習します。ダブルダッチに入るには手前の縄を見て中に入るように教えますよね?実はこの手前の縄が「迎え縄」です。一般的な長縄と反対まわしと考えると分かりやすいです。

長縄ならダブルダッチのターニングができなくても問題ありません。なので子どもに順番に回させることができる。つまり一気に多くの子ども達を練習させることができるのです。

また表先生は色の付いた長縄を使うことを推奨されています。というのも、はじめから赤いロープを跳んでいれば、いざ二本になってもどっちを跳ぶかが理解しやすい。次のステップを見据えた作戦なのです。

はじめは「1抜け」から

迎え縄ができたら、いよいよダブルダッチに入ります。まずは1抜けの練習です。

【1抜け】
ロープの中で止まらないで、反対側に跳び抜けるダブルダッチの技。

といっても、実はこれ最初の練習と全く同じ動き。迎え縄を8の字で跳ぶのと同じ要領で、ダブルダッチの1抜けはできるんです。

しかし子ども達も二本のロープが回ると緊張します。いざダブルダッチだ!と身構えるのです。でも実際に跳ぶロープは手前だけ。長縄で使っていた赤いロープだけです。奥にある二本目のロープは無視してオーケー。

実際に自分もなわとび教室で実践してみました。2年生の集団でもここは十分に到達できます。

また二本が上手に回せない場合は、二組を一本ずつ回しても良いでしょう。四人で回して一人が跳ぶんです。慣れるまではリズムの取り方が難しいですが、長めのロープを使うと感覚を掴むのが早くなります。

1抜けができたら「2抜け」「5抜け」と進んでいきます。ところが「5抜け」あたりになると「ターニングをどう教えるか?」という課題に取り組む必要が出てきます。ここの課題については前回の記事で触れました。

【2抜け】
入った場所と同じ方向に「くの字」で抜けるダブルダッチの技

子どもの「跳ぶ力」を上達させる

熟練のターナー*2であれば幼稚園児でも跳ばせることができます。ただこのレベルになるまでは膨大な練習が必要。ダブルダッチを扱う以上、ロープを回すのが難しいのは避けて通れない課題です。

たしかにターナーが上達するに越したことはありません。ですが、ターナーばかりにに高い技術を求めるのではなく、子どもの跳ぶ力を育てるのはどうでしょうか。

ロープを見て自力で跳べる子どもならば、熟練の合わせる技術は必要ありません。一定のリズムでロープが回ってさえいれば跳べます。これなら、一気に学校の先生方にもハードルが低くなると思うのです。

まとめ

学校体育でダブルダッチを扱うのに、ロープ回しが難しいのは大きな課題です。

しかし同じぐらい課題だと思うのは「集団にどうやって教えるか?」というノウハウや教材が少ないこと。たとえ熟練のターナー技術があっても、ノウハウが無ければ30人の子ども集団相手に教えるのは至難の業です。

体育の授業でどうやってダブルダッチを教えるか?を真剣に考えるとき、表先生のダブルダッチ指導法のような「集団に教えるための視点」は欠かせないと思います。

*1:跳ぶ人の方に向かってくる方向に回す長縄のこと

*2:ロープを回す人のこと