なわとびパフォーマーの仕事論

会社にやりたい仕事を望むと苦しい。雇われる立場で「やりがい」を探すということ。

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こんにちは!縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。

自分は縄跳びで仕事をしています。なので外から見ると「やりたいこと」で仕事をしているように見えることでしょう。事実ステージに立つのは楽しいです。でもそれが全て「やりたい仕事」とイコールとは限らないんですよ。

この点、就職して「やりがい」を見つけようとしてる人は注意が必要だと思うのです。たとえ好きな業界に入り、専門的な能力を使う仕事であっても、はじめから持っていた「やりたい仕事」ができるかは分からないんです。

雇われることの意味

シルクドソレイユは企業です。紆余曲折ありましたが、元々カナダに本部のあるエンターテイメント企業です。自分はこの企業に「契約」で雇われている形になります。

では「雇われている」とは何を意味するか。それは社長や株主などの『雇い主』のやりたいことのため、労力や能力で協力する人だということ。

ここで間違えてはならないのが、あなたのやりたいことを叶えるための組織ではないということ。あくまで「雇い主」の願望や要望を叶えるための組織なんです。

会社とあなたの「やりたい」に溝が生まれたら?

では雇い主である会社と「あなた」が思うやりたいことに、溝が生まれたらどうなるでしょうか。

結論から言えば、あなたはそのやりたいことを声高に叫ぶ立場ではありません。叶えるのは雇い主のほう。そのために彼らはリスクを負って企業という組織を運営しているのです。

それでも「会社と考え方が違う!!」と叫ぶ人が多いのは、この点を勘違いしてしまっているから。本来会社はあなたの夢を叶える場所ではなく、あなたに「雇い主」の夢を叶える手助けを求めている場所なんです。

どうしても会社のやりたいこととの溝が埋まらなければ、あなたが身を引くしかありません。

個の野望は全体のマイナスになりかねない

会社の方針とそぐわない自身の野望を叫べば、ときに会社にとってマイナスに働きます。たとえば縄跳びアクトにも変更や改善したいことが山ほどあります。あれもこれもと言い始めれば、どれだけメモ用紙があっても足りません。

でもこれってシルクドソレイユ側の意向とズレるんですよね。彼らはショー全体を見て良いモノにするのが目的。もしかすると縄跳びアクトを良くするという視点では「正しい」かもしれません。ところが「ショー全体」を見渡した時には「正しくない」になり得る。

ショーには縄跳び以外にも沢山のアクトがありアーティストが関わっています。その全体のバランスを考えたとき「縄跳びアクトへの野望」は無理な注文へと変わってしまうのです。

「やりたい仕事」をするにはどうするか

極論を言えば、野望を掲げて自身の夢に歩き出すには「起業」や「個人事業主」がベストだと言えます。あなたが雇う側になり、夢の実現のために人に手伝ってもらう立場になればいい。

でも「やりたい仕事」は「起業」しなければできないのでしょうか。自分はなにかに全力で取り組むうちに「やりたいこと」が見つかるのでは?と考えています。

こんな仕事やるため入ったんじゃない!と最初から腐っていては、その先に眠っているかもしれない「やりたかった仕事」を見過ごすことになります。

長い人生、はじめからある「やりたい仕事」以外に新しい発見があっても良いのではないでしょうか。

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