外部講師

教職員向け研修・講習会に「パフォーマー」をオススメしたい3つの理由

こんにちはー。 縄跳びパフォーマーの粕尾将一(@macchan8130)です。

 

パフォーマーの仕事は「人に演技を観てもらうこと」です。演技を通じて元気になってもらい、感情の波を社会に提供するのが我々の役目です。

 
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では、どのように人に演技を観てもらうと思いますか?スゴ技を披露する?いいえ、そんな甘いもんじゃありません。

 

芸能人や有名人なら別ですが我々はただの一般人。町中を歩いても誰一人知ってる人は居ません。つまり観客が初めから見る姿勢になっていない。この状況からいかに興味を持って貰い、演技に引き込むか。

 

観客に演技を観てもらうため、実はいろんなテクニックを使ってます。これは「人前に立つ人」全般に応用できるテクニックも多いんですよ。

 

1.惹き付け方の理屈を知っている

自分は、ステージ上の演技と子どもの前に立つことは似てると考えてます。

 

どちらも人前に立って何かを伝える行為。パフォーマンスか授業かの違いだけです。それに子ども向けに演技をしてるパフォーマーって多いんですよ。週末のイベント等は子連れの客層を狙ってパフォーマーを呼んでますからね。

 

なので子どもの惹き付け方を知っています。しかも何となくではなく、鉄板のネタや構成を持っている。これらは理屈で説明できるものばかりなんです。

 

たとえば自分は「始まる前に5秒間沈黙する」というテクニックを使います。人は無言だと不安になり緊張するので、子ども達の集中力がこちらに向いてきます。ある程度意識が集まったところで、できるだけ大きな声で元気に話し始めます。

 

このテクニックは「集中をいかに惹きつけるか、いかに子どもに通じる手段にするか、強力なツカミをする」の3つが目的です。

 

イチイチ「話を聞いてください!集中してください!!しっかり説明を理解してください❢❢❢」なんて言わなくても、このテクニックで子どもの意識を一気に集めることができます。

 

また一発目に大きな声で自己紹介することで、子どもの印象に強く残すことができるのです。その証拠に、訪問先の子どもに名前を忘れられたことはありません。

 

2.自分の魅せ方を常に意識している

パフォーマーは演技中にどこを見られるかを常に意識します。なので必ず「お客さんに向ける方向」があり、これを「面(メン・ツラ)」と呼びます。

 

このシーンではこの方向が見栄えする、あの技は細かいからこっちのほうが見やすい。こうした演技中の一挙手一投足に対して見え方を意識しています。

 

これは教壇に立つ教職員にも大切なことなんですよ。

 

子ども達は説明を聞いてるだけじゃありません。たしかに耳では言葉を拾っていますが、実際には先生の立ち姿やジェスチャーなど、全身から情報を受け取っています。

 

板書や話し声より目立つ動作があれば、意識がそちらに流れてしまいます。ほら、先生が無意識にやる「クセ」のモノマネが上手な生徒っていますよね?彼らは見ていないようでガッツリと見てるんです。

 

裏を返せば、上手に見え方をコントロールすれば子どもの集中力を持続させられるんです。静かな説明の後に激しい動きを交えたデモンストレーションをするとか、教室の中央に移動してわざと小さい声で喋るとか。

 

同じ題材・教材であっても、見せる方法次第で伝わり方が大きく変化するのです。

 

3.興味が無い人に興味をもたせる達人

はじめ、ほとんどの観客は見る姿勢になっていません。さらに言えば「何するの?」といった敵対関係にあると言っても過言じゃありません。

 

このステージに立つには「いかに観客を味方にするか?」が重要。無関心の人に振り向いてもらうため、全力を挙げるのです。

 

パフォーマーとしても観客が盛り上がれば良い演技ができます。パフォーマー自身の笑顔も増えます。反対に仏頂面の人ばかりだと、変な汗ばかり出て演技を伝えるまで辿り着かないことも。

 

これは学校の授業でも同じだと思うのです。

 

ただ単調に永遠と喋られても眠くなるだけです。しかし興味があること、気になることであれば自然とこちらに耳を傾けてくれます。これはパフォーマーが使うテクニックと同じです。

 

笑いの要素を入れる、ツカミで一気に引っ張る、大きな音などの刺激を与える・・・突然先生がお笑いをするのはどうかと思いますが…。しかし授業展開のちょっとした緩急が、子どもの興味関心をグイッとつかむのです。

おわりに

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photo by Christopher.Michel

 

人の注目を集める方法には、いくつかのセオリーやテクニックがあります。同じ人前に立つ教職員とパフォーマーには共通するモノが多いんですよ。

 

授業研究や教材研究を熱心にされている先生を多く知っています。とても熱心に作り込まれた授業を受けたこともあります。もちろんこうした授業研究は素晴らしいことです。

 

しかし授業は子どもに伝わってはじめて成立します。

 

ぜひ今回紹介した「惹き付け方」「魅せ方」「興味の引き方」を授業に取り入れ、より効果的に子ども達に届けてください。